住宅のエネルギーを考える懇談会を開催しました
平成27年(2015年)11月29日(日曜日)、「住宅のエネルギーを考える懇談会」を開催しました。参加者は45名でした。
冒頭、市の環境に関わる計画等(「環境都市宣言」「宝塚市地球温暖化対策実行計画」「宝塚エネルギー2050ビジョン」)とこの冬から取り組みを始めた「環境家計簿」について市の担当が紹介した後、松尾和也さん((有)松尾設計室代表取締役室長・(社)パッシブハウスジャパン理事)のご講演となりました。
第1部 講演:住宅のエネルギーを考える-再エネと省エネ-
【日本は室内環境後進国?】
冒頭、日本の室内環境に関するお話がありました。松尾さんによれば、欧米先進国では基本的に最低室温規程(18~22℃)があるなど室内環境と健康に関する規制があるとのことです。一方、「日本では室温10℃以下が当たり前であり、ヒートショックにより年間17,000人以上が亡くなっています。交通事故(年間死亡者約4000人)と違って規制も緩く、室内環境については後進国と言えます」とお話しされました。
【リフォームは浴室を】
住居の中でも浴室については「脱衣所は25℃以上、湯温は41℃以下」にする環境を整えるべきとのお話がありました。
「脳卒中や心筋梗塞の原因の多くは、浴室等の寒さが原因です。特に浴室の寒さとお湯の熱さの温度差は血圧の急激な変化を引き起こします」
「退職後のリフォームは『汚れた水回り』や『内装』が選ばれがちですが、『亡くなる危険性の高い場所』からされては」と提案されました。
「30~40代を対象にした講演で『親の介護期間を4年遅らせることのできる場合、金額的にどのくらい価値がありますか』と聞くと、だいたい200万円以上のところで手を上げる方が多いです。200万円あればお風呂のユニットバス化により浴室を暖めることはできます」ともお話しされました。
【まずは窓から】
住まいに関するアンケート結果の紹介があり、「住まいへの不満」の上位は「暑い」「寒い」「結露」とのことでした。
「今の住宅では、寒さの原因の5割、暑さの原因の7割が『窓』だと言われています。つまり上位3位がすべて窓に関する不満なんです」とお話しされ、断熱効果の高い窓の設置について提案をされました。
その他、電気温水器などのエネルギー消費量が大きい機器からの転換についてのご説明などがあり、いずれも具体的な数値や事例を用いたもので、参加した皆さんも何度もうなずいておられました。
第2部 住宅のエネルギーを考えるワークショップ
第2部では「住宅のエネルギーを考えるワークショップ」を行いました。進行はNPO法人環境エネルギー政策研究所の古屋将太さん(吉岡剛さん)が務められました。参加者の皆さんはこの日、ご自宅についてのエネルギー診断シートを持参されており、ご自身のお住まいの中で、「どの部分が寒い、熱い」といったことから、「普段、給湯や暖房などにどんな家電を使っているか」など、紹介し合いました。
話合いの後、戸建て・マンションに分かれた各グループで出たエネルギー利用についての問題点と提案について共有しました。最後に古屋さんによるまとめがあり、散会となりました。
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