手塚治虫ワールドからのメッセージ | 夢と憧れの華麗なる世界 宝塚歌劇
手塚治虫が、大学を卒業するまでの20年間を過ごし、漫画家としての発想の原点を培った思い出の地、宝塚。1994年4月、「自然への愛と生命の尊さ」をテーマに宝塚市立手塚治虫記念館が開館しました。ヨーロッパの古城を思わせる外観と、阪神・淡路大震災からの復興のシンボルにもなった「火の鳥」のモニュメントが目印になっています。



まんがやアニメの世界に大きな足跡を残した手塚治虫は、4歳のとき家族とともに宝塚に移り住み、23歳までの多感な少年・青年時代をこの町で過ごしました。手塚治虫がその作品を通して描いた、かけがえのない自然の大切さ、生命の尊さなどには、幼い日に宝塚の豊かな自然に触れ、大好きな昆虫を追いかけた思い出が投影されています。また、母親に連れられて通った宝塚歌劇や、家族でクリスマス会を楽しんだ宝塚ホテルなどのモダンな環境は、異文化へのあこがれをかきたて、豊かなイメージの源となりました。
宝塚は、手塚治虫が描き続けた文明と自然、異なる文化の摩擦や融合のはざまに生まれては消えてゆく生命への賛歌の原点といえるでしょう。その足跡と作品に描かれた世界を、貴重な資料や原画などでたどる「手塚治虫記念館」が、手塚治虫の業績を次の世代に伝えるだけでなく、新たな表現を生みだす情報発信の場としても機能してほしいと願います。 (談)

