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宝塚の民話・第1集の12

ID番号 1003694 更新日  平成26年11月10日  印刷

おしゃりさん

おしゃりさんの挿し絵

中山寺に「おしゃりさん」といって身の丈(みのたけ)が三尺(さんじゃく。約90センチメートル)の神代杉(じんだいすぎ)(注1)で作られた、荒削(あらけず)りの僧(そう)の座像(ざぞう)が伝(つた)わっています。
この像は、雨乞(あまご)いをするときに用(もち)いるもので、明治の始めの辰年(たつどし)の旱魃(かんばつ)の時にも大変な御利益(ごりやく)があったということです。
雨乞いの祈祷(きとう)は、本堂(ほんどう)で行われますが、その像に白粉(しらこ)を塗(ぬ)り、祈祷を行う僧はみな水色の袈裟(けさ)(注2)を着けます。 祈祷が終わると、像は卜部左近(うらべさこん)(注3)のお墓(はか)のそばを流れる足洗川(あしあらいがわ)につけられて、白粉を流し、儀式(ぎしき)は終わるのです。

あるとき、寺の番人をしていた安兵衛(やすべえ)という人がいましたが、親子でふざけていて、たわむれにこの「おしゃりさん」の頭をコツコツと叩(たた)きました。
するとたちまち北の空がまっ暗(くら)になり風雲(ふううん)が出て来たと思うや、ドットと雨が降(ふ)ってきました。さあ大変、みるみるうちに川の水かさは増(ま)して行きます。里に急(きゅう)を知らせに言った安兵衛の親子は行方不明(ゆくえふめい)になりました。
翌日(よくじつ)、雨が上がると、ずっと下流(かりゅう)で、二人の水死体(すいしたい)が発見されたということです。

注釈
(注1)神代杉(じんだいすぎ)
水や土の中に長年にわたり埋もれていた杉材のこと。
高級建築材や美術・工芸品に用いられるもの。

(注2)袈裟(けさ)
僧侶が着る衣服。法衣のこと。
功徳衣ともいう。

(注3)卜部左近(うらべさこん)
?~1634。江戸初期の儒学者。播磨三木の人。
後、真言宗を学び西国三十三ケ所観音霊場を祈願して巡り、中山寺で篤信し没す。
中山寺境内に五輪塔が墓所として残っている。

挿し絵は、市内在住・在学の市民、児童・生徒から募集したものです。

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