平成28(2016)年7月号 自動翻訳機能対応テキスト版(2面から5面)

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ID番号 1016869 更新日  2016年7月12日

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特集(2面から5面)

※市外局番の記載のないものは(0797)です。

【2~5面】

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<特集>
ありのままの自分で~性的少数者に寄り添うまちづくり~
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世の中には、男と女の2種類しかいない。
異性を愛することが当たり前。
―本当に、そうですか?

例えば同じ“男性”であっても、どんな自分でありたいか、どんな人を好きになるかは人それぞれ違います。異性を好きになる人もいれば、同性を好きになる人もいます。
これは、私たち人間が「身体の性」だけで男・女に二分される存在ではなく、自分の性をどう認識するかという「心の性」、どんな風に恋愛感情を抱くかという「好きになる性」が人によって違っているからです。
社会にはいろいろな人が生きていて、誰もが一人ひとり違っています。しかし、人との違いが理解されずに、生きづらさを抱えている人たちがいます。今号では、誰もが自分らしく生きることができる社会の実現に向けて、一つの「人権課題」を考えていきます。

・身体の性〈Sex〉…どんな身体の特徴がある?
・好きになる性(性的指向)〈Sexual Orientation〉…どんな人を好きになる?
・心の性(性自認)〈Gender Identity〉…自分の性をどう認識する?

(1)異性愛者は心の性と好きになる性が異なります。
(2)同性愛者は心の性と好きになる性が同じです。
(3)バイセクシュアル※は(1)(2)どちらにもあてはまります。
(4)トランスジェンダー※は身体の性と心の性が一致しません。
※下記参照

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LGBT(エルジービーティー)を、知っていますか?
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L…レズビアン(女性を好きになる女性、女性同性愛者)
G…ゲイ(男性を好きになる男性、男性同性愛者)
B…バイセクシュアル(性別に関係なく人を愛する人、両性愛者)
T…トランスジェンダー(生まれた時の「身体の性」とは異なる性別を生きる・生きたいと望む人)

その人自身の“性”のあり方を「セクシュアリティ」といいます。セクシュアリティが少数派の人たちを、最近では「セクシュアルマイノリティ(性的少数者)」と呼ぶことが増えてきました。
「LGBT」という言葉は、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)の頭文字を並べた性的少数者の総称として使われますが、セクシュアリティは非常に多様で、自分を男性・女性のいずれかとは認識していない人(Xジェンダー)や、恋愛感情や性的欲求を抱かない人(アセクシュアル)もいます。
LGBは「好きになる性(性的指向)」、Tは「心の性(性自認)」のマイノリティです。特に、性的指向は“好み”のように誤解されがちですが、性的指向や性自認は自分の意思で選択・変更できるものではありません。

(1)「いない」のではなく「見えていない」だけ
日本では人口の7.6%、約13人に1人がLGBTを含む性的少数者とされており、その内訳は、L 0.5%、G 0.9%、B 1.7%、T 0.7%、その他(Xジェンダーなど)が3.8%となります(※1)。学校生活に当てはめると、40人クラスに3人の割合です。
(※1)電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査 2015」より

(2)LGBTについて知る機会は少ない
身近な存在であるLGBT。しかし、「心の性」「好きになる性」を自覚しやすい思春期に、教育現場でその存在が取り上げられる機会はほとんどありません。学校教育の中で、LGBTや多様性に関して知る機会がなかった生徒は、約9割に上るとされています(※2)。
(※2)特定非営利活動法人ReBit(リビット)「出張授業アンケート調査(2014)」より

(3)“知らない”では済まない問題
LGBTの当事者約600人のうち、約7割が学校でいじめや暴力を受けたことがあり、そのうち約3割が自殺を考えたという深刻な調査結果があります(※3)。周囲の無理解や偏見は生きづらさを生む大きな要因の一つであり、正しい知識の普及・啓発は急務です。
(※3)いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン「LGBTの学校生活に関する実態調査(2013)」より

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宝塚市がLGBTを支援する理由
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「人と違う自分は何者なのか、分からなくて苦しい」「信頼する家族でさえ、自分を受け入れてくれるか分からない」「学校や社会から、自分たちの存在が抜け落ちている」―。
もし、一つの生き方だけが正しいとされたら、どれだけ多くの生きづらさが生まれるでしょうか。
多様な「性」を生きる人は、多様な「生」を生きる人でもあります。一人ひとりの「生き方」を尊重することは、誰もが生きやすい社会につながります。
宝塚市が掲げる「性的少数者に寄り添うまちづくり」は、生きづらさを抱えている人たちに寄り添い、誰もが自分らしく生きやすい社会の実現をめざして取り組むものです。

◆LGBTの子どもたちに寄り添います~教育現場へのアプローチ~
「もっと早い時期に自分が何者であるか知りたかった」というLGBT当事者の声があります。教えることが偏見を生むのではなく、教えないことが差別や偏見につながります。まずは教員等に啓発冊子の配布や研修を行い、正しい知識の普及・啓発を図ります。また、各保・幼・小・中、特別支援学校の保健室等にLGBTに関連する本を置き、当事者の子どもたちに安心感を感じてもらえるようにします。あわせて、相談窓口(下記)を案内するカードを子どもたちに配布します。

◆セクシュアルマイノリティ電話相談を始めました ~環境整備~
○電話番号: 71・2136 ※相談無料
○開設日時:毎週水曜14時~18時(おおむね1回30分)
自分の性や性的指向をはじめ、さまざまな相談に、カウンセリングなどの専門知識をもつ相談員が応じます。当事者に限らず、家族・友人・教員など、どなたでも利用できます。

◆パートナーシップ宣誓書受領証を交付 ~多様な生き方を尊重する一つの手段として~
市内で生活を共にする同性カップルからの宣誓に基づき、「パートナーシップ宣誓書受領証」を交付します。
例えば、同居する家を借りることが難しい、病気やけがをした時に家族として医師から十分な説明を受けられないなど、同性パートナーが共に暮らす上で直面しやすい課題の解決を図るための第一歩でもあります。交付方法など詳しくは、人権男女共同参画課(電話番号 77・9100)へ。

◆LGBTへの理解を深め、支援の姿勢を示します ~市民に一番近い自治体職員として~
当事者の中には、LGBTであることよりも、周囲の視線に悩んでいる人がいます。まずは市の職員が、研修などを通してLGBTへの理解を深めます。また、性の多様性を表す虹色のシールを公共施設の入り口などに貼り、支援の姿勢を示します。

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誤解しないで、LGBTのこと
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市が進める「性的少数者に寄り添うまちづくり」に対して、市内外から寄せられた主な意見を紹介し、皆さんからの疑問にQ&A形式でお答えします。

Q. 同性愛は治療できるの?
A. 同性愛は病気ではありません。また、性的な趣味や好みの問題でもありません。世界保健機関(WHO)が「同性愛はいかなる意味でも治療の対象とはならない」と宣言して以来、国もこれを公式基準として採用しています。

Q. 家庭や家族、結婚制度が崩壊し、社会の秩序が崩れるのでは?
A. 少数の同性愛者の存在が、圧倒的多数の異性愛者で占められる社会の秩序を崩すことはありません。そもそも性的少数者は昔から存在しており、顕在化してこなかっただけなのです。

Q. 異性愛以外を認めると少子化につながるのでは?
A. 仮に国が同性婚を認めても、異性愛者の人たちが従来どおり結婚することに変わりはありません。同性婚が認められることによって、異性カップルの間に誕生する子どもの数が減るとは考えられません。

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ありのままの自分でありたい
―私たちは、ここにいます。
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LGBTなど、多様な性を生きる人を支援する団体「QWRC(くぉーく)」の理事として活動するコジさんはレズビアンです。
それを自覚し始めたのは、中学2年生の時でした。

―普通って、何?
初めて恋をしたのは中学2年生の時。相手は同性で、部活の顧問の先生でした。それに真っ先に気付いたのは、部活の仲間で、親友だったはずの人たちでした。私を異質なものと捉えた親友たちは、ある日を境に、私を完全に無視するようになりました。何ごとかと調整に入った顧問には一言、「だってこの子は…」。
「レズビアンだから」と言いたいのだと分かってしまった。自分で自分を受け入れるより前に、親友たちに“お前はレズビアンだ”と決めつけられ、いじめられるようになりました。「自分は普通じゃないのか」と、自分を否定して生きる日々が続きました。
―唯一の生きる道は、もう恋をしないことでした
恋愛をしなければ、自分がレズビアンであることはバレない―。「もう恋愛はしない」という誓いは進学後も変わりませんでした。高校ではクラス替えがなく、 “何か問題を起こしたら居場所がなくなる”という恐怖が常につきまとっていたからです。
でも、また恋をしてしまった…。誰にも相談できず、いじめられるという恐怖心を抱くより先に、“死ぬしかない”と思いました。18歳くらいの時のことです。恋をしたら、うきうきするものですよね?でも、私の中は絶望感でいっぱいでした。孤独だったし、追い詰められていた。
―自分以外のレズビアンとの出会い
初めて自分以外のレズビアンに出会ったのは、ちょうどそのころです。「本当にいるんだ」と思って、うれしかったですね。当事者の集まりにも参加するようになり、ようやく自分を認める気持ちが少しずつ芽生えていきました。
―悩みを吐き出せる場所を見つけて
性的少数者を取り巻く環境は、この10年ほどの間に大きく変わりました。LGBTに関する調査データが出たり、文部科学省からLGBTの児童生徒への配慮を求める通知が出されたり…。この問題を人権課題だと言えるようになり始めたのは、大きな変化だと思います。
セクシュアリティの問題に限らず、生きていれば何かしら課題が出てきます。そんな時、誰かに相談できる環境があれば、生きづらさも少しは和らぐのではないでしょうか。私は、自分がレズビアンであることを周囲にカミングアウト(※)していますが、そうしない選択肢もあると思っています。大切なのは、言う・言わないという選択を本人が自らしているか、話したいときに話せる環境が整っているかどうかだと思います。

(※)カミングアウト…LGBTなどの当事者が、自分の性的指向や性自認について誰かに打ち明けること。広く、自分自身について言い難いことを勇気をもって人に伝えることをいう。

コジさん…大阪市在住。2004年に特定非営利活動法人QWRC(くぉーく)の理事となり、LGBTなど多様な性を生きる人を支援する取り組みを続けている。

◆QWRCとは…多様な性のあり方が尊重される社会を目指して活動する団体。2003年設立、2014年に法人化。主な活動は下記のとおり。詳しくは、QWRCホームページへ。
所在地:郵便番号 530・0047 大阪市北区西天満4丁目5-5 マーキス梅田707号室 ※スタッフは常駐ではありません。

◎交流会の開催(要参加費)
多様な性を生きる人で、精神面に悩みがある人向けの集まり「メンヘル!」(毎週土曜、11時半~12時半)や、おおむね23歳以下の若者向けのおしゃべり会「カラフル」(偶数月の第2土曜、14時~16時)など、さまざまな交流会を開催しています。
・QWRC発行の啓発冊子もあり!ホームページから閲覧できます。

◎QWRC電話相談
電話番号 06・6585・0751(毎月第1月曜、19時半~22時半)
LGBTなどの当事者やその家族、友人などからの相談に、専門のスタッフが応じます。


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ありのままでいてほしい
苦しみに気付いてあげられなかった不甲斐なさと、
それでも生きていてくれる息子への感謝―。
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発足11年目を迎えた「LGBTの家族と友人をつなぐ会」。
その立ち上げに関わった青山 直子さん(仮名)は、当時、高校2年生だった息子からカミングアウトを受けました。

―お母さん、自分は同性愛者、
ゲイやねん。
息子からの突然のカミングアウトは、謎かけ問答のような調子で始まりました。
「僕が彼女の話をしないのって、なんでやと思う?」
「女の子にモテないから?」
「モテなくはないけど、女の子に興味がないねん。なんでやと思う?」
カミングアウトを受けたときは本当に驚きました。息子がゲイであることよりも、生まれて50年、一度も聞いたことのない多様な性の話を息子がしてくれたことの方が驚きでした。
―変わらなければいけないのは「私」
中学生のころは、勉強もせず寝てばかりの息子にあきれていました。でも、後々話を聞くと、息子が自分のセクシュアリティに気付いたのはちょうどそのころで、当時は寝ることでしか苦しみを忘れられなかったといいます。高校入学直後には、今思えばうつ病の症状がありましたが、誰も彼の本当の苦しみに気付けなかった。
「ホモ」「オカマ」「気持ち悪い」―。家でも学校でも、そうした差別的な発言をすぐ横で耳にすることがあったかもしれません。自己肯定感を育むべき思春期を、誰にも話せず、誰からも守られないままじっと耐え、なんとか息子は生き抜いてくれました。その気持ちを思う時、変わらなければいけないのは「私」だと思ったんです。息子には、ありのままでいてほしい。本当に変わらなければならないのは、違いを受け入れられない社会のほうだと…。
―誰もが自分らしく生きられる社会へ
カミングアウトを受けた時、息子のどこが他人と違うんだろうと思ったし、周りから見ても、きっと分からないと思います。でも、見えないこと、知らないことが差別や偏見を生んでいます。まずは、多様な性を生きる人たちが身近にいることを知ってほしい。その上で、男・女、LGBTという枠組みでは語れない多様な生き方、性のあり方が尊重され、かけがえのない一人ひとりが自分らしく生きられる社会を、みんなで作っていければと思います。

青山 直子さん(仮名)…神戸市在住。息子からのカミングアウトをきっかけに、特定非営利活動法人LGBTの家族と友人をつなぐ会を仲間の親たちと立ち上げる。

◆LGBTの家族と友人をつなぐ会とは…
レズビアンやゲイの子どもをもつ親たちが中心となって2006年に会を立ち上げ、翌年に法人化。子どもからカミングアウトされた親たちが語り合う場(LGBT当事者や友人など誰でも参加可)を神戸・東京・福岡・名古屋の全国4か所で開催。電話・メールでの相談等も受け付けています。詳しくは、同会ホームページへ。
所在地:郵便番号 651・1212 神戸市北区筑紫が丘9丁目9-11(神戸事務局)
相談先:電話番号  090・6055・2424 メール:family2006@goo.jp


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多様性が認められる社会へ
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“社会の中でどう生きるのか―?”。この誰にとっても難しい問題に真摯に向き合い、その答えを追い求めた先に、唯一無二の「自分」が待っているような気がします。
LGBTの人にとって、自分を偽らず、周囲の偏見を恐れず、ありのままに生きようとすることは、とても勇気のいることです。それを受け入れる側もまた、勇気が必要かもしれません。しかし、人は自分とは違う生き方の人に出会い、さまざまな価値観に触れて互いを認め合うとき、もっと豊かに生きることができるのではないでしょうか。
あなたの周りにも、LGBTの人が必ずいます。その人は、家族や友人かもしれないし、同じ職場で働く仲間かもしれません。「誰かが」違うのではなく、「誰もが」少しずつ違っている…。多様な色があるからこそ美しく輝く虹のように、あなたらしく、自分らしく。誰もが一層輝く社会の到来を願って。

 

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