令和3(2021)年10月号 自動翻訳機能対応テキスト版(4面から7面)

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ID番号 1043768 更新日  2021年10月26日

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特集(4面から7面)


【4〜7面】

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あなたは1人じゃない
― 知ってほしい、ヤングケアラーのこと。―
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ヤングケアラー
【young carer】
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 大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを日常的に行っている子ども。
参考:一般社団法人日本ケアラー連盟ホームページ
※法令上の定義はありません。

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ヤングケアラーについて考える
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 ヤングケアラーは、本人の年齢や成長に見合わない責任や負担を負うことで、育ちや教育、人間関係に影響が生じ、本来守られるべき子ども自身の権利が守られないことが問題となっています。
 また、幼い頃から家事や家族の介護・世話をしている子どもにとって、その生活は「当たり前」になっているため、周囲に相談せず、本人がヤングケアラーであると気付いていないケースも多くあります。
 ヤングケアラーには、気軽に何でも相談できる環境づくり、そして周りの支えが必要です。

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ヤングケアラーは、例えばこんな子どもです
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・家族の代わりに料理・掃除・洗濯などの家事をしている
・家族の代わりに幼いきょうだいの世話をしている
・家計を支えるために労働している
・障碍(がい)や病気のある家族の世話、入浴・トイレの介助をしている
このような行動を本人の年齢や成長に見合わない状態で担っている子どもです

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調査で見えてきた
ヤングケアラーの実態
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 今年3月、国によるヤングケアラーについての初めての実態調査が行われ、中学2年生の約17人に1人、全日制高校2年生の約24人に1人が該当することが分かりました。
 そして、その内の6割以上が周りに相談をしたことがありません。
 ヤングケアラーの世話の対象は「きょうだい」が最多です。その中でも、幼いきょうだいの世話や食事の準備、掃除などの家事を担っているケースが多く、障碍(がい)や疾患のある父母の世話、高齢や介護が必要な祖父母の世話をしているケースもあることから、各家庭の状況に合わせた総合的な支援が必要と考えられます。
 また、調査を行った学生の8割以上が「ヤングケアラー」という言葉を「聞いたことがない」と回答しています。
 つまり、子ども自身が「ヤングケアラー」についての認知をしていないため、自分がそうであると自覚しにくい状況である事が分かります。
 子どもの負担に気付くためには、子ども自身に周知を図ることも必要です。

ヤングケアラーは…
中学2年生の約17人に1人
高校2年生の約24人に1人

世話の対象は…
「きょうだい」が多い
・中学2年生
きょうだい61.8パーセント/父母23.5パーセント/祖父母14.7パーセント/その他3.8パーセント/無回答9.4パーセント
・全日制高校2年生
きょうだい44.3パーセント/父母29.6パーセント/祖父母22.5パーセント/その他5.5パーセント/無回答8.8パーセント
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
   令和3年3月 「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書」

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Voice ―当事者の声―
立命館大学 大学院 社会学研究科 修士2年
河西優(かさいゆう)さん(京都市)
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 現在大学院でヤングケアラーの研究を行い、ご自身もヤングケアラーだった河西優さんにお話を聞きました。

 幼稚園の頃から母と2人暮らしで、小学校高学年の頃に母が統合失調症を発症しました。精神的に不安定な母が私を深夜まで外に連れ出すので、帰宅後に宿題や洗濯をすると就寝時間は午前2時、3時になり、学校の授業中は寝てしまうこともありました。
 つらかったのは、友達と遊んだりできず、社会とのつながりが希薄だったことです。母と2人だけの世界に生きているようで不安でした。また、自分の状況を誰かに話すことにも抵抗がありました。
 ヤングケアラーの支援のあり方は、人によって異なります。私の場合は、高校に入って親戚の助けもあり、つらい状況から抜け出すことができましたが、できれば学校や行政がもっと自分たちに介入し、社会との接点や居場所を作ってほしかったと今になって思います。
 ヤングケアラーとして頑張る子どもたちに伝えたいことは、自分の気持ちを抑える必要はないということ。家族や周りの人に気を遣いすぎなくてもいいんです。
 今後は自分の経験を生かして、ヤングケアラーで悩みを抱える人を支援していきたいと思っています。

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子ども・若者ケアラーの声を届けようプロジェクト
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ヤングケアラー本人の立場から意見や具体的な活動を提案・発信しています。ケアラー本人やサポーターの皆さんはぜひ参加してみませんか。当面は月2回のオンラインミーティングを予定しています。
プロジェクト事務局(立命館大学人間科学研究所内)
(メールcarersactionresearchproject@gmail.com)

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Interview
神戸学院大学 准教授
宝塚市スクールソーシャルワーカー
スーパーバイザー
大塚美和子(おおつかみわこ)さん
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子どもを孤立させない支援が大事です

スクールソーシャルワーカー(以下SSW)は、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持ち、家庭や学校で悩みを抱える子どもの問題に対し、学校・家庭・地域に働きかけ、チームで解決を図る専門職です。
 宝塚市でSSWのスーパーバイザーをされている大塚美和子さんに、ヤングケアラーの子どもに対して学校ができる支援について聞きました。
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子どもの課題を早期に発見し対応
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 本市のSSWの特徴は、学校配置型であることです。通常は教育委員会から派遣されている形が多いですが、できるだけ早期に問題を発見するために各学校に配置されています(一部、未配置の学校は派遣型で対応)。
 校内で気になる子どもを見つけたら、まずは教職員とSSWを含めた定例の校内会議で情報共有します。その中で、例えば家庭の事情で学校に来ることができない場合はヤングケアラーなどの可能性を疑い、具体的な解決策を検討していきます。
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チームで子どものことを考える
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 以前、SSWとしての活動の中で、精神疾患を患う母親のケアのため、学校に来ることができない子どもについて相談がありました。
 この事例では、時間をかけて母親との信頼関係を築き、母親が孤立しないように、教職員と話し合える場を定期的に持つことで、家庭が抱える問題を少しずつ解決していきました。その結果、子どもが安心して学校に登校できるようになりました。この経験は、現在本市で行っている学校と保護者がチームで子どものことを考える「支援会議」のきっかけとなっています。
 学校は、欠席連絡や保護者面談など普段から家庭との接点が多く、家庭の事情を自然に聞き出すことができます。こうした学校の強みを生かしたサポートを進めていくことが大切です。
 また、学校内に支援チームができることによって学校外の機関との連携もスムーズに進みます。例えば、福祉行政や学童保育、児童館などの学校外の支援や連携により、子どもにとっての居場所ができれば、子どもを孤立させないさらなる支援が可能となります。
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ヤングケアラーへの理解を深める
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 SSWや教職員がヤングケアラーに気付くためには、欠席が増えている、疲れている、眠そうにしているなどの「サイン」に気付くことが大事です。教職員によって気付きに差が生まれないように、ヤングケアラーの理解を深めるための教職員研修を定期的に行うことが大切です。子どものSOSを早期に発見できるように、今後も学校や関係機関との連携を進めていきたいと思います。

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Interview
子どもの権利サポート委員会 委員の皆さん
言語聴覚士 精神保健福祉士 宇野田陽子(うのだようこ)さん
弁護士 曽我智史(そがさとし)さん
四天王寺大学 教育学部教育学科准教授 𠮷田祐一郎(よしだゆういちろう)さん
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「しんどい」 だけでもしっかり受け止めます

 子どもの権利サポート委員会は、市の条例に基づいた第三者機関として、子どもの権利を擁護する組織で、具体的には学校や家庭などとの関係調整や子どもの権利に関する制度の改善の提案などを行っています。
 子どもの権利サポート委員会の委員の皆さんに、ヤングケアラーである子どもの特徴や、支援する上で大切なことについて聞きました。
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ヤングケアラーは「見えにくい」
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 委員会の活動の中では、特に子ども本人から直接話を聴くことを大切にしており、子どもに寄り添いながらサポートします。
 子どもや周囲の人から相談を受ける中で、もしかするとヤングケアラーかもしれないと思われるケースがあります。しかし、子ども本人は家事や介護をしている日常が当たり前と考えていて、こちらから家庭の事情に踏み込むのが難しいことが多いです。こうした点で、ヤングケアラーは見えにくくなっています。
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子どもの本音を引き出す
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 私たちが支援において必要だと考えているのは、子どもたちとの関係作り、そして居場所作りです。子どもたちにこちらから事情を聞いても、始めは素直に口にできないこともありますが、傾聴・共感により次第に本音を話せることも多いです。
 また、ヤングケアラーである子どもは家庭内の輪にとどまってしまいがちですが、家庭外にも輪を広げ、安心できる居場所を作ることで、学校では伝えづらいことも言えるようになったりします。実際に、ヤングケアラーである子どもと子ども食堂をつないで支援したことがあり、その子は自分で進んで通うほど気に入って、自分の気持ちを解放してくれるようになりました。
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子(こ)どもの皆(みな)さんへ
 周(まわ)りに相談(そうだん)すると、大事(おおごと)になってしまうんじゃないかとためらってしまうかもしれませんが、怖(こわ)いことは何(なに)もありません。私(わたし)たちは、しんどいという思(おも)いだけでもしっかりと受(う)け止(と)めます。子(こ)どもの気持(きも)ちを大切(たいせつ)にしながら、何(なに)ができるかを一緒(いっしょ)に考(かんが)えていきますので、気軽(きがる)に話(はな)してみてほしいと思(おも)います。
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さまざまな主体が連携、
協働して支援します
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 ヤングケアラーにとどまらず、少子高齢化の進展やライフスタイルの多様化などさまざまな要因により、地域や、家庭での生活の不安や、悩みを抱える人が増加し、抱える悩みも多様化・複雑化しています。
 本市では、今年6月に地域福祉計画(第3期)を策定し、「すべての人が互いを認め合い、支え合い、共に輝き続ける 安心と活力のまち 宝塚」を基本理念に市民が積極的に支え合う活力のある福祉のまちづくりを推進しています。
 住民一人ひとりが、誰一人として孤立させない、排除しないという思いを共有し、人と人とのつながりを大切にし、「支え合う」「助け合う」「お互いさま」という気持ちを持つ事が大切だと考え取り組んでいます。
 高齢者福祉、児童福祉、障碍(がい)者福祉などの専門職や、行政内の横断的な連携を進めるとともに、地域住民、関係機関、事業所、行政など、さまざまな主体が連携・協働して取り組む事が大切で、身近な相談機関に相談していただけるよう、課題を総合的に受け止める体制作りを行っています。

[相談窓口一覧]
●教育・児童福祉
 各学校
 子どもの権利サポート委員会 電話番号0120・931・170
 子ども家庭なんでも相談 電話番号77・9111
 教育相談 電話番号87・1718
 青少年何でも相談ダイヤル(18歳以下の人対象) 電話番号84・0937
●その他
 ≪高齢者福祉≫
 各地域包括支援センター(担当課:高齢福祉課(電話番号77・2068 ファクス番号71・1355))
 ≪障碍(がい)者福祉≫
 各委託相談支援事業所(担当課:障碍(がい)福祉課 基幹相談支援センター(電話番号77・2287 ファクス番号72・8086))    
 ≪生活困窮など≫
 せいかつ応援センター(電話番号77・1822)

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