第82回企画展「手塚治虫と演劇『七色いんこ』展」
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第82回企画展「手塚治虫と演劇『七色いんこ』展」

手塚治虫は医学生時代に演劇に出会い、自らも劇団に所属して舞台に立っていました。期間的には2年足らずと短かったのですが、この経験もマンガの創作には活かされていて、時折作品の中で緞帳や能舞台が描かれたりしています。
その舞台経験の集大成として描かれたのが「七色いんこ」です。「ぼくのなつかしさを込めて、ぼくが現在描いているマンガの方式のルーツのようなものとして」描き始めたと本人が話しているこの作品は、シェイクスピアの「ハムレット」や曲亭馬琴(滝沢馬琴)の「南総里見八犬伝」など実在する演劇をベースにしながら、オリジナルストーリーが展開されていきます。また、連載の序盤から巧みに伏線が張られており、終盤でそれらが解明される様は、まさに舞台作品をみているように一気に引き込まれます。
今回の企画展では、手塚の演劇歴を紹介した上で「七色いんこ」をはじめとして、演劇の影響が見受けられる作品を幾つか紹介します。新たな視点から、手塚作品の魅力にふれてください。
展示概要
・今回の企画展は3部構成で展示します。
前 節:手塚治虫と演劇
第1幕:作品紹介「七色いんこ」
第2幕:手塚作品と演劇
・展示原画数は約140点になります。
前 節:手塚治虫と演劇
手塚治虫は幼少期から母親の影響で宝塚歌劇を観て育ちました。その後、学生時代には自ら劇団に所属し、舞台に立っていました。舞台を観る側と演じる側、これら双方の経験はマンガを描く際、存分に活かされています。
ここでは、手塚の演劇歴と演劇観を紹介します。
<主な展示品>
・演劇歴の紹介
・演劇に関するエッセイ
・当時のパンフレット・脚本
(學友座第4回公演「天佑丸」・関西新劇団合同公演「罪と罰」等)
※今回2008年に寄贈された、上記パンフレット2冊が展示される。
第1幕:作品紹介「七色いんこ」
「七色いんこ」は『週刊少年チャンピオン』で1981年3月20日号から連載が始まりました。
当時手塚は53歳。「ぼくのなつかしさを込めて、ぼくが現在描いているマンガの方式のルーツのようなものとして」描き始めたと話しています。若き頃に没頭した演劇にオマージュを込めつつ描かれたオリジナルストーリーです。
代役専門の天才役者、七色いんこ。どんな代役でも引き受けて見事に演じとおします。その出演条件は「劇場内で何が起ころうとも劇団は見て見ないフリをすること」。実はいんこは観客から盗みを働く泥棒でした。そのいんこを捕まえるべく追う女刑事の千里万里子。様々な演劇をベースにしながら展開されていくストーリー。終盤にはまさかまさかの急展開を迎えます。果していんこの目的は…?
<主な展示品>
・直筆 原稿展示 「連載本編第1話」
・扉絵(カラー/モノクロ)
・カラーカット/イラスト
・サブタイトル トピックス
・関連作品展示「ヤング ブラック・ジャック」・「Hei Sei七色いんこ」
第2幕:手塚作品と演劇
宝塚歌劇を観て育った手塚治虫は、小学校では学芸会で劇に出て、医学生時代には学生劇団に所属して舞台に立っていたほど、幼少期から演劇に興味を持っていました。プロのマンガ家になってからも時間を見つけては歌舞伎やミュージカルなど演劇を観に行っていました。これらは「七色いんこ」のみならず、他の手塚作品にも影響が見受けられます。
ここでは、演劇の影響が顕著にみられる作品を紹介します。舞台やセットが描かれているだけではありませんよ。
・「ファウスト」(1950年1月15日発行)
・「弁慶(原題:はりきり弁慶)」(1954年2月号『おもしろブック』付録)
・「カーテンは今夜も青い」(1958年新年増刊号『少女』掲載)
・「ベニスの商人」(1959年4月号『中学1年コース』付録)
・「鉄腕アトム」ロビオとロビエットの巻(1965年5月号~9月号『少年』連載)
・「八丁池のゴロ」(1968年1月1日号~12月29日号『赤旗日曜版』連載)
・「安達が原」(1971年3月22日号『週刊少年ジャンプ』掲載)
・「火の鳥 羽衣編」(1971年10月号『COM』掲載)
・「おふくろの河」(1972年2月14日号『週刊少年ジャンプ』掲載)
・「ブラック・ジャック」第159話 お医者さんごっこ
(1977年2月14日号『週刊少年チャンピオン』掲載)
<主な展示品>
・原稿展示
- 日程
-
令和3年3月6日(土曜日)から 6月28日(月曜日)
- 時間詳細
9:30~17:00
- 対象
どなたでも
- 施設
手塚治虫記念館
- 主催
-
宝塚市・宝塚市教育委員会
- 後援
Kiss FM KOBE・エフエム宝塚
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このページに関するお問い合わせ
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