ほっといてそんな深夜と冬の海  生徒作品

ID番号 6007889 更新日  2023年2月2日

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トンネルをぬけると雪国

昨日は「生徒が選ぶ五中俳句王」の話題でしたが、今日は「校長が勝手に選ぶ名人句」です。生徒が選ぶ句は「わかりやすい」「言ってることに共感できる」「面白さを感じる」そういうところがポイントになっているように感じます。校長選句では少し目線を変えて、「発想が素晴らしい」「独創的」「深い(と思う)」などをポイントにしています。そこで表題の一句。まず、口語調の「ほっといて」からの入りがインパクト大。どうしてそんな気持ちになったのか、それは作者しかわかりませんが、誰しもそんな気持ちになることはあります。一人になりたい時、場所として「深夜」「冬の海」の取り合わせは絶妙にマッチしていると思います。思春期ならではの感情がうまく表現された一句ですね。

私が全校句会を始めたのは、先輩の校長先生の影響です。(まだまだ真似事レベルですが)今でも時々学校を訪ねてくださったときは俳句の話題になったりします。「こんな句を(入選句として)選んでみたんですよ。」と話していると、「これ面白いね」といってくださったのが、「こたつで眠る僕過去問解く兄」の一句。この句、五七五にはなっていないのですが、全体では17音に収まっている。破調になっていますが、冬休みの兄弟の対比をさらりと詠んでいるところが秀逸です。

俳句、句会のいいところのひとつは、言葉について知的な創作活動ができること。いろんな生徒にスポットが当たって、新しい発見がたくさんあることです。今回も友達が作った俳句のことを話題にワイワイしてくれると嬉しいと思います。

そして、友有り遠方より来る。また楽しからずや。