ほほづゑに梅の香ただよふ春隣  生徒作品

ID番号 6007928 更新日  2023年2月7日

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大きなしめ縄

朝のテレビで、早咲きの梅が咲き始めましたなんてのをやっていました。広島だったでしょうか。そういえば、少し前には福岡太宰府天満宮の「飛梅」開花のニュースも。この「飛梅」、本殿のすぐ前にあるのですが、毎年決まって境内で一番早く花をつけfるのだとか。その昔、政戦に敗れた菅原道真(天神様)が太宰府の地に流されたときに、京都の屋敷にあった梅の木が道真を慕って一晩で太宰府にやってきたという言い伝えがあります。「飛梅」の名前の由来でもありますね。道真が詠んだ「東風吹かば匂い起こせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」の有名な一首。人の思いって花にも通じるのか。ウソかホントか、でも、信じてみたくなるような浪漫あふれる話です。

梅の香は春を感じさせてくれます。表題の一句も梅と春をテーマにしてくれています。俳句のルール的には季語を重ねないというのがあります。それで言えば、「梅の香」と「春隣」は春の要素がかぶってしまっているのですが、中学校の句会でそこまでこだわることもないし、ましてや校長が勝手に選ぶ分には問題なし。古い仮名遣いも上手に使って、今も昔も梅の香が春を知らせてくれるということにつながっていると思います。まさに「飛梅」伝説も想起させてくれるような秀作だと思います。

今週末は少し暖かくなりそうです。三寒四暖というには少し早いかもしれませんが、春は少しずつ。