令和4年度に実施したデザイン経営実践支援の内容を紹介します

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ID番号 1054359 更新日  2023年10月10日

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宝塚市のデザイン経営実践支援事業について

デザイン経営ってなに?

デザイン経営のイメージ図(特許庁)

経済産業省・特許庁が2018年に公表した『「デザイン経営」宣言』のなかで、「デザイン経営」は、デザインを重要な経営資源として活用し、ブランド力とイノベーション力を向上させる経営の姿であるとされています。

「デザイン経営」は、人(ユーザー)を中心に考えることで、根本的な課題を発見し、実現可能な解決策を、柔軟に反復・改善を繰り返しながら生み出すことができるので、経済のグローバル化やデジタル化によって複雑化する社会においても企業価値を向上させ続けことができる手法の一つです。また、中小企業ではデザインの力により企業の「人格」を明確にするケースが多く見られます。

「デザイン経営」を実行するには経営トップの決断が重要ですが、成果を上げるためには社員一人ひとりの意識改革が欠かせません。中小企業における「デザイン経営」は、社内の意思疎通が図りやすく一体となって取り組みやすい点で大企業と比べて相性がよいと言えます。

(近畿経済産業局HPより抜粋)

宝塚市が目指すデザイン経営のカタチ

宝塚市では『経営者の価値観や譲れない想い』(=アイデンティティ)を掘り出し、それを核に据えたうえでそれをどうしたら、社内、社外に広めていけるのか、そこにフォーカスを当てて支援に取り組んでいます。そのアイデンティティを経営者以外の関係者に広く周知する(具現化する)ためにデザイナーによる支援が必要であると考えています。

決してデザインを外注するための補助事業ではなく、より本質的な課題解決を目標としています。まずは、アイデンティティの深堀りすることを出発点とし、そこから将来のビジョンの創造につなげていきます。

(本事業の流れ)

デザイン経営実践支援のフローチャート

具体的に何をする?

令和4年度において、宝塚市では市内でデザイン経営を用いた事業者支援を実施されている株式会社SASI(以下、支援事業者)に委託し、個別伴走支援を実施しています。

具体的には以下の流れで実施していきます。

(1)デザイン経営実践のために必要な知識・方法のレクチャー

(2)自社のアイデンティティ・強みの整理や、ビジョン策定、経営計画・事業計画策定

(3)策定した事業計画の発表

上記を達成するため、8回程度参加事業者の代表と支援事業者がセッションを実施します。(3)発表会については、本事業の参加者及び、他自治体においてデザイン経営に取り組む事業者、金融機関等が参加予定です。

(本事業のスケジュール(予定))

スケジュール

令和4年度に伴走支援を実施した事業を紹介します

(1)有限会社太陽商会

太陽商会

宝塚市で段ボール等包装資材の卸売業を営まれています。各製品に合わせ、安全に運搬できる包装設計を自社で行うことが可能です。代表である武田様はボランティアとして石巻市で行われる演芸に携わる中で「まちおこし」に高い関心をお持ちでした。その中で、地域の課題解決を自社の包装資材を活用し行うための新商品開発を検討するため、本事業に応募いただきました。

伴走支援にあたり、まず代表である武田様のアイデンティティ(事業の核となる動機)のヒアリングを実施しました。その中でご自身の想いをビジネスに落とし込み、コンセプトやデザインを決定するためのセッションを繰り返しました。

太陽商会マインドマップ

ヒアリングを進める中で、アイデンティティとして

・仕事を通じて、困っている人に恩送りをしたい。

という価値観が整理され、それを原点にさらに事業アイデアを深めていきました。

そうして、自社の新しいビジョンとして『段ボールで「繋がって」課題を解決する。』

という目標をデザイナーと再確認し、新たな事業コンセプト(戦略)として、

・シンプルに2つのパーツを繋げるだけで遊べる・体験できるツール

の製造・販売に着手する方向でデザインをスタートさせました。

太陽商会デザイン

このツールを子どもたちが遊びながら使うことで「段ボールを使って、子どもやその保護者に自分たちで作れる楽しさや家に住むこと、街づくりを簡単に考えるきっかけ」を提供し、ビジョンに向けて新しいスタートを切っています。

※実際の事業計画については実施前につき、非公開とさせていただきます。

(2)株式会社三佐和

株司会者三佐和TOP画像

宝塚市に大正4年から営業する青果卸売り業者として、現在5代目の住永様が運営する同社は、もともとは宝塚温泉街の様々な飲食店や旅館に対して、卸売市場経由で青果を販売していました。しかし、社会情勢が大きく変わっていく中で、事業を立て直し拡大する打開策を模索するため本事業にご参画されました。

セッションを繰り返していく中でご自身のパーソナリティや事業に懸ける想いをカタチにしていき、その結果アイデンティティを

・逆境からこそ、正しい道で勝つ

と整理しました。また目指すべきビジョンとして

・市場をクリエイトする

と定めました。

同社は試行錯誤を繰り返す中で、事業の多角化を図り、徐々に成長をさせていた中で、セッションを通して、事業モデルの整理を行い、優先して事業リソースを投下する先を検討していきました。

三佐和の事業チャート

そして、最も可能性のある新事業「みさわのやさい」というサラダ加工直販店の運営という飲食事業にフォーカスすることでコンセプトが固まり、

・支配できる市場をクリエイトする

という戦略を決定しました。本コンセプトに基づき、今後の事業構想等のデザインを進めていきました。

※実際の事業計画については実施前につき、非公開とさせていただきます。

奈良市×宝塚市デザイン経営合同発表会の様子

本事業の最終成果として、同じくデザイン経営による経営革新を支援している奈良市と合同でデザイン経営実践支援成果発表会を令和5年3月9日に大阪中央公会堂にて開催しました。

当日は各自治体から参加者が集合し、参加者が半年間続けてきた自社の取り組みを紹介することで、よりデザイン経営の理解を深める場となりました。

(有限会社太陽商会 武田様)

有限会社太陽商会発表

(株式会社三佐和 住永様)

株式会社三佐和発表

終わりに

本事業は、参加事業者と市、支援事業者が伴走しながら実施しております。宝塚市のデザイン経営実践支援について、少しでも興味がある、具体的にどんなことをしているか知りたいとお考えの方は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。個別に事業内容のご説明をさせて頂くことも可能ですので、どうぞ遠慮なくお申し付けください。

各種リンク

他自治体においても、デザイン経営を活用した伴走支援を実施しています。その中で一部ですが、近隣自治体の事例を紹介します。また、支援事業者のホームページにも各種取組が紹介されています。

 

このページに関するお問い合わせ

産業文化部 商工勤労課
〒665-8665 宝塚市東洋町1番1号 本庁舎3階
電話:0797-77-2011(商工担当) 0797-77-2071(総括・勤労担当)
ファクス:0797-77-2171
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