宝塚温泉 ~タンサンと湯のまちのルーツさがし~

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ID番号 1053065 更新日  2023年9月4日

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宝塚歌劇で知られる宝塚市ですが、「湯のまち宝塚」と呼ばれているのをご存じですか?「宝塚温泉」の歴史は古く、鎌倉時代にはその存在が京の都まで知られていました。明治時代には温泉街として栄え、その歴史は今でも語り継がれています。さらに、「宝塚温泉」は大人気の炭酸飲料「ウィルキンソン タンサン」と深い関係にあります。古くから愛され続ける宝塚温泉の歴史やスポットについてご紹介します。

開湯800年の歴史を持つ「宝塚温泉」

宝塚の地は800年前から温泉などの資源に恵まれていました。

最も古い記録は、鎌倉歌人である藤原光経(みつつね)の歌集に残されており、貞応2年(1223年)に宝塚にあった小林の湯を訪れ、「旅人の行き来の契り結ぶとも 忘るな我を我も忘れじ」と詠み土地の遊女に贈ったとされています。

宝塚が本格的に温泉地として最初に開かれたのは、明治中期。武庫川に湧き出していた「酸い水と鹹(しおから)い水」が、飲用にも浴用にも適した良質な鉱泉水であることが分かり、明治20年(1887年)に兵庫・大阪の有志が「宝塚温泉」を開業しました。

 

宝塚温泉
明治時代の宝塚温泉

しかし、開業当時はまだ鉄道がなく、入浴客が思うように増えず明治25年(1892年)に最初の温泉場が閉鎖。その後、宝塚温泉場持主組合によって復活したものの、明治30年(1897年)の大雨で武庫川が氾濫し、浴場が流失してしまいます。

それでも「宝塚温泉」は明治32年(1899年)に再復活。明治30年(1897年)に阪鶴鉄道(現在のJR)が宝塚まで開通していたため、再建された温泉場は大賑わい。50軒以上の旅館や土産物店などが立ち並ぶなど、一大温泉地として栄えました。

その後、温泉街はマンション開発が進み住宅地となり、また阪神淡路大震災も相まって旅館数が減少。現在、宝塚温泉の泉源を利用しているのは、「ホテル若水」、「宝塚ワシントンホテル」、「ナチュールスパ宝塚」のみとなりましたが、この3施設で宝塚温泉の歴史を守っています。

宝塚市発祥「ウィルキンソン タンサン」

「ホテル若水」の前に「天然たんさん水 この下にあり」と刻まれた石柱があるのはご存じでしょうか。これは武庫川の氾濫で消失したとされる石柱を復元したものです。

石柱

明治時代 石柱

実は、明治22年(1889年)頃、イギリス人のジョン・クリフォード・ウィルキンソン氏が宝塚(武庫川の傍ら)で優良な炭酸鉱泉を発見しました。翌年、その鉱泉から湧き出す「酸い水」を瓶詰めして炭酸水を発売することを思い立ち、宝塚の紅葉谷に瓶詰め工場を設け、生産、販売を開始しました。その炭酸水が現在大人気の「ウィルキンソン タンサン」のルーツであり、実は発祥の地は宝塚なのです。現在も気象状況によって宝来橋のたもとからぷくぷくと炭酸気泡が湧き出る様子を確認することができます。

紅葉谷 工場
紅葉谷工場

ジョン・クリフォード・ウィルキンソン氏は、瓶詰工場を設立後、外国人を誘致するため洋式高級ホテル「タンサンホテル」を開業。多くの外国人が宝塚の地を訪れました。明治37年(1904年)、宝塚の鉱泉が枯れてきたため、優れた炭酸泉を湧出していた西宮市生瀬に工場を移転。平成2年(1990年)の閉鎖まで、約90年にわたり、稼働していました。現在、ウィルキンソンブランドの飲料は、兵庫県明石市のアサヒ飲料工場で生産されています。

西宮市生瀬工場
生瀬工場

平成7年(1995年)に生瀬工場は解体され、マンションとなってしまいましたが、そのすぐ横に「ウィルキンソン記念館」が設立され、写真や資料などが展示されています。

また、「ナチュールスパ宝塚」の横に「ウィルキンソン タンサン」のみの自動販売機が設置されています。世界に一つだけの自動販売機で、宝塚でしか見ることができません。

ウィルキンソン自販機

TANSAN HISTORY MAPが完成しました

タンサンと関わりの深い宝塚ですが、ついにジョン・クリフォード・ウィルキンソン氏の歴史と炭酸ゆかりの地を巡る「TANSAN HISTORY MAP」が完成しました。このマップには炭酸に関連するスポットが簡単にわかりやすく掲載されています。知らなかったスポット・歴史など、新しい発見があるかもしれません。ぜひご覧ください。

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