事例　主体的な学びと地域との連携を重視した教育活動～高校生がまちづくり協議会で活躍～

ID　1061451　更新日　 2025年12月16日

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　活動概要　2023年8月から、伊丹西高校の生徒たちが高司小学校区まちづくり協議会（高司まち協）で活躍している。生徒たちは、高司まち協のイベントに参加し、地域との関係を深め、イベントの企画運営をしながら、校内にはない様々な経験を積んでいる。

　この活動について、伊丹西高校の火縄先生と二人の生徒さん、高司まち協の川島さんと津國さんに話を伺った。

【団体連絡先】

　兵庫県立伊丹西高等学校　電話番号：072-777-3711

　宝塚市高司小学校区まちづくり協議会　津國事務局長　電話番号：080-5337-8428

• Instagram（外部リンク）

取組のきっかけ～先生の思いと人柄に引き寄せられた～

　火縄先生は宝塚市西谷の出身。地元に戻った際、「年々若者が減っている。小中学校・地域が高校と繋がれないか」という話を聞いた。「これは高校にもメリットがある。地域と何か関わりを持つ取り組みをしたい」と市役所に相談し、高校からの距離が近く、ブログから活発な雰囲気が感じられた高司まち協との連携を決めた。「強制はしない。地域と一緒に何かしてみないか」と生徒会に声を掛けると、半数以上の生徒が手を上げ、有志の活動が始まった。

　先生は、地域と意思疎通を図りながら、生徒のアイデアを受け入れ、課題があればどうするかを考えさせるなど、彼らが主体性をもって活動できる環境を整えている。

地域は～温かく生徒を迎え入れる懐の深さ～

＜参画のメリット＞高校生が関わることで、活動のマンネリ化を打破できる、子どもたちも彼らに親しみを感じ小学生から保護者へと地域のつながりが広がる、高齢者も新たなつながりで刺激があるという魅力があった。

＜参画の流れ＞そうめん流しに参加し楽しむところから始め、スポーツイベントではルールを覚え運営を支援してもらい、文化発表会では司会とシナリオづくり（幕間のつなぎ方まで）を任せた。子ども学習イベントでレクリエーションを企画、高齢者サロンで福祉職志望の生徒たちに高齢者の特性を伝えて企画運営してもらうなど、親睦を深めるところから企画運営まで段階的に参画してもらった。

＜受け入れのポイント＞高校が地域に何かを求めて来ている、それを大事にして生徒に返したいと思った。生徒は単なる労働力ではなく、メンバーの一員として温かく見守り、必要なアドバイスをしながら、彼らの主体性に任せている。

生徒は～新たな人とのつながりと地域貢献・自己成長を実感～

＜参加のきっかけ＞何かを企画して運営する活動が好きで、やりたいことがあれば参加している。イベント名が楽しそうで参加しやすいと思った。

＜成長したこと＞相手の話を聞いて対応することで企画力の向上につながった。普段関わらない世代との交流が貴重な経験になった。初対面の人と話すハードルが下がり、人が変わったように成長したと感じる。

＜楽しさとやりがい＞参加・企画どちらも楽しいが、企画は当日までの過程も楽しく、当日も違った視点で楽しめる。緊張するが、地域に行くと楽しい、歓迎してくれる、感謝されるので継続的に参加している。このことが地域貢献につながっていると感じ、嬉しい。

＜高校生が地域活動に参加しやすくするには＞地元の新聞に「こんな活動やってみませんか」と記事があったが、「やってみませんか」と聞かれたら参加しやすくなる。高校生が入りやすい入り口があるとよい。

今後は

　地域の人との交流で、生徒たちは地域に目を向けるようになった。新学習指導要領における「（地域）課題解決型学習」が、生徒の主体的な学びと地域社会との連携を重視した教育活動として注目される中で、伊丹西高校はこれまでの活動を活かし、2025年度から授業として組みこむことにした。地域・大学生の協力のもと、生徒が実際に地域を歩いて、聞き取りを実施し、高司とはどんな地域か、良い地域とはなにかを探究していく予定である。こうした活動が他の高校にも広がり、各地域で活躍する高校生同士のつながりもできればと考えている。

編集：TaCoLAB（担当：加藤、田中）