男女共同参画週間特別寄稿

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ID番号 1012162 更新日  2022年6月21日

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男女共同参画週間ポスター

男女共同参画週間 特別寄稿

6月23日から29日までの1週間は、国が定める「男女共同参画週間」です。

性別にかかわらず個性と能力を発揮する男女共同参画社会の実現を目指します。

今年度のキャッチフレーズは「『あなたらしい』を築く『あたらしい』社会へ」です。

このキャッチフレーズにちなみ、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 准教授 治部 れんげさんの特別寄稿を掲載します。

すべての人が性別にとらわれず、それぞれの個性と能力を発揮しできる社会とするために、身近な問題として考えてみませんか?

 

木村 涼子さんの写真
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 准教授 治部 れんげさん

 「あなたは、自分の性別を理由に何かを押し付けられたことはありますか?」

大学でジェンダーに関する講義をする時、最初にこう質問すると、様々な体験談が寄せられます。

「女の子だから、そんなに頑張らなくていいんじゃない?」。研究者を目指す女子学生は親戚にこう言われたそうです。

「男子がおごるのが当然と思われるとモヤモヤします」。こんな風に話す男子学生も少なからずいます。食事会などで男子の方が女子より高い支払額を求められるのは、よくあることです。

こうした日常生活の「あるある」を集めていくと、社会が作るジェンダーに基づくバイアスが見えてきます。その多くは女性に遠慮や可愛らしさ、ケア労働を、男性には強さや有能さ、高い収入を求めます。つまり、女性が感じるモヤモヤと男性が感じるモヤモヤは裏表の関係になっていることが多いのです。

法律で決まっているわけでもないのに、何となく圧力を感じる、性別に基づく押し付け。反論すると「男のくせに」「女らしくない」と言われることもある――。そういうものから自由になりたい人は、どうしたらいいのでしょうか。

一番大事なのは自分自身がやりたいことをよくよく考えて自分で決めることです。意思がないと、多数派に流されやすくなります。次にやるべきなのは、自分の考えを言葉や行動で示すことでしょう。

ある男子学生は子どもの頃、ピンク色が好きだったそうです。父親や祖父から「男らしくない」と言われたものの、母親や園の先生が「素敵ね」と受け止めてくれたので、自信を持ってピンクが好きなまま、育ったそうです。彼の体験は、大人たちが子どもや若い世代の自己決定を尊重する必要性を教えてくれます。

さらに大事なのは嫌なことは嫌だとはっきり伝えることです。ある授業で「デート代を男子が払うことの是非」が話題になった時のこと。女子学生の一人がきっぱり、こう言いました。

「女の子だから払ってあげよう、というのは、自分に支払い能力がないみたいで馬鹿にされた感じがして嫌です」

私も若い頃からこういう考え方だったなあ、と思いつつ聞いていたら、その日の授業の感想として「はっとしました」「良い気づきになった」という男子学生の声が寄せられました。

こんな風にちょっと勇気を出して「自分らしさ」を見せることは、あなた自身はもちろん、他の誰かを「男/女らしさのしばり」から解放することにつながるのです。

 

 

このページに関するお問い合わせ

総務部 人権平和・男女共同参画課
〒665-8665 宝塚市東洋町1番1号 本庁舎3階
電話:0797-77-2013(人権相談に関すること) 
        0797-77-9100(人権啓発・男女共同参画・平和施策に関すること)
ファクス:0797-77-2171
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。