男女共同参画週間特別寄稿

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ID番号 1012162 更新日  2021年6月25日

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男女共同参画週間ポスター

男女共同参画週間 特別寄稿

6月23日から29日までの1週間は、国が定める「男女共同参画週間」です。

性別にかかわらず個性と能力を発揮する男女共同参画社会の実現を目指します。

今年度のキャッチフレーズは「女だから、男だから、ではなく、私だから、の時代へ。」です。

このキャッチフレーズにちなみ、大阪大学大学院人間科学研究所の木村 涼子さんの特別寄稿を掲載します。

すべての人が性別にとらわれず、それぞれの個性と能力を発揮しできる社会とするために、身近な問題として考えてみませんか?

 

木村 涼子さんの写真
大阪大学大学院人間科学研究所の木村 涼子さん

「脳の性差って重要ですか? 「らしさ」にとらわれず」

 

身近に赤ちゃんが生まれたとき、周囲の人々はお祝いとともに、「赤ちゃんは女の子? 男の子?」という言葉を発することが多いですね。生活をしていく上で、性別は重要なことがらだと考えられています。

女性と男性にもとめられる役割や「らしさ」が社会的・文化的に規定されていることは、近年盛んに指摘されています。社会的・文化的なものですから、変えていくこともできます。ひとりひとりが性別にとらわれず、個性を生かして「自分らしく」生きていける環境をつくる努力が、世界的にも、国内的にも積み重ねられてきています。

しかし、一方で、脳には性差がある、得意なことがらも発揮できる能力も性格も生まれながらに異なっているという視点から、子育て方法を男女で変えた方がよいと主張する書籍や雑誌記事、ネットニュースを目にすることも多いと思います。

21世紀にはいってから、「男の子の育て方」「女の子の育て方」「男の子と女の子の育て分け方」を銘打った子育て本の出版数が飛躍的に増え、しかもかなりの売れ行きを示しています。筆者は性別子育て本の出版数を調査しているのですが、20世紀には数えるほどしか存在しなかったのに、2010年代には百数十冊の出版数を記録するほどになっています。

これらの本では、 男の子の子育てのキーワードは、「たくましい」「打たれ強い」など強靱さ、「やる気」「意欲」など積極的な姿勢、「成功」「一流」などの上昇志向、さらに「仕事」「メシが食える」「稼ぐ」「結婚(できる)」など社会人としての役割期待を示す言葉群です。対して、女の子の場合に目を引くのは、「幸せ」や「愛する」「愛される」という言葉です。これらは女の子の子育ての場合にのみ使われ、男の子には使われません。男の子の人生には、幸せや愛は必要ないかのようです。

性別子育て本には、「女子脳」「男子脳」など、かなりの割合で脳の性差論がひきあいにだされています。性別を意識した子育てには正当性があると説得力を増すために、「最先端」の脳科学が引用されることが多いのです。しかし、「最先端」と言いつつ、上述したようにかなり古めかしい「男らしさ」「女らしさ」の二分法が強調されています。脳科学で判明していることはいまだ断片の積み重ねに過ぎず、現実世界の女男の能力や特徴に直接的に結びつけて論じることには無理があると警鐘を鳴らす専門家が多いのですが、昨今流行している性別子育て本は、まさにそうした危険性を抱えています。

脳の性差論など、生まれながらの性差論に翻弄されずに、現実の子どもたちそれぞれの個性や願いを大事に、社会全体で子育てできることを願っています。

このページに関するお問い合わせ

総務部 人権平和室 人権男女共同参画課
〒665-8665 宝塚市東洋町1番1号 本庁2階
電話:0797-77-2013(人権相談に関すること) 
        0797-77-9100(人権啓発・男女共同参画・平和施策に関すること)
ファクス:0797-77-2171
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