男女共同参画週間特別寄稿

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ID番号 1012162 更新日  2020年6月29日

印刷大きな文字で印刷

男女共同参画週間ポスター

男女共同参画週間 特別寄稿

6月23日から29日までの1週間は、国が定める「男女共同参画週間」です。

性別にかかわらず個性と能力を発揮する男女共同参画社会の実現を目指します。

今年度のキャッチフレーズは「そっか。いい人生は、いい時間の使い方なんだ。」「ワクワク・ライフ・バランス」です。

このキャッチフレーズにちなみ、甲南大学文学部教授の阿部 真大さんの特別寄稿を掲載します。

すべての人が性別にとらわれず、それぞれの個性と能力を発揮しできる社会とするために、身近な問題として考えてみませんか?

 

阿部 真大さんの写真
甲南大学文学部教授の阿部 真大さん

コロナ危機をきっかけに考える「時間の使い方」

 ビジネスの世界では、いかに仕事を効率よく行うかということが、しばしば話題になる。この度のコロナ危機により多くの人がテレワークをせざるをえない状況下では、「通勤時間がなくなったし、直接仕事と関わりがない同僚との世間話に付き合うこともなくなったので、仕事を効率よくこなせるようになった」という類の言葉を、インターネット上でよく目にするようになった。

 通勤時間や世間話の時間は、これまで「無駄な時間」だと思われることが多かった。しかし現実に、こうした「無駄な時間」を完全になくすのは、コロナ危機以前の社会では困難なことであった。どれだけ「無駄な時間」をゼロにしたいと思っても、リアルな社会では、電車や自動車で移動しなくてはならないし、駅や駐車場からオフィスに歩いて行かなくてはならない。ミーティングで相手に待たされることもあるし、会いたくない同僚に廊下で会って長い世間話をされることもある。業務の極端なオンライン化は、これまで不可能だった「無駄な時間」を徹底的になくすことを可能にした。それは、働く人々の「無駄な時間」が本当にゼロになったときに何が起こるかを試す、壮大な「社会実験」であるとも言える。

 「無駄な時間」がなくなると、人は会う必要のある人にだけ会い、見る必要のあるものだけ見るようになる。そこで失われるのは、会う必要のない人に会う機会、見る必要のないものを見る機会である。東浩紀の言葉を借りると、オンライン上のコミュニケーションでは、すべてが正確な場所に「配達」されるから「誤配」は起こらない。しかし、東氏が主張するように、新たなつながりやそこで起きるイノベーションは、しばしば想定外の「誤配」から生まれる。私自身の経験でも、意図しない人との出会いや出来事が、新しい研究のアイデアを思いついたり、仕事のやり方を変化させるきっかけになったことはよくあった。新しい「何か」は往々にして、「無駄な時間」の中での意外な出会いがもたらすものなのである。

 今回のコロナ危機によって、「無駄な時間」に思えていた時間が、実は豊かな可能性に開かれた時間であったことに、多くの人々が気づくかもしれない。とはいえ、本当に「無駄な時間」というのも確かに存在する。アフターコロナの時代には、この間の気づきをふまえた、時間の使い方に関する議論の深まりを期待したい。

このページに関するお問い合わせ

総務部 人権平和室 人権男女共同参画課
〒665-8665 宝塚市東洋町1番1号 本庁2階
電話:0797-77-2013(人権相談に関すること) 
        0797-77-9100(人権啓発・男女共同参画・平和施策に関すること)
ファクス:0797-77-2171
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。