浄水処理の仕組み
浄水場は、水道水をつくる工場といえます。水源となる川の水やダムの水、地下水などの原水を引き込み、原水中のごみなどを取り除き、安全な水道水をつくるのが浄水場の役割です。
宝塚市上下水道局には、惣川浄水場と小浜浄水場の2箇所の浄水場があります。安全な水道水をつくる工程をご説明します。
浄水処理の工程
惣川浄水場と小浜浄水場の浄水処理方法は、急速ろ過方式を採用しています。この方式は、凝集剤を加えて原水中のごみや泥、有機物などの濁りの元となる懸濁物質をあらかじめ凝集して塊(フロック)とし、沈殿池で沈降分離した後、急速ろ過するものです。
下図は、浄水処理工程をわかりやすく簡略化しています。ごみやフロックの大きさ、各池の規模などは実際とは異なります。
沈砂池(ちんさち)
沈砂池は、川などの地表水中に混じっている大きなごみや砂などを沈めて取り除くところです。
惣川浄水場の水源である川下川貯水池は、貯水池自体が大きな沈砂池の役割をしています。
小浜浄水場の水源である地下水は、ごみや砂は混じっていないため、沈砂池の機能を有する施設はありません。
着水池(ちゃくすいせい)、凝集池(ぎょうしゅうち)
水道水をつくるための3種類の薬品を注入します。
- ポリ塩化アルミニウム(PAC)
原水中の懸濁物質を凝集するための凝集剤 - 次亜塩素酸ソーダ(次亜塩素酸ナトリウム)
原水中の細菌などの繁殖を防止、水道水の消毒 - 苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)
原水、水道水のpHを調整
着水井は、ダムの水や地下水が浄水場に最初に到着するところです。原水の水位を安定させ、水量を調整します。
凝集池は、混和池とフロック形成池とで構成されます。
- 混和池
急速な攪拌を与え、薬品を原水中に均一に拡散させるところです。 - フロック形成池
凝集剤が注入された原水中の濁質を微小な塊(フロック)に凝集させるところで、三つの池に分かれており、それぞれに攪拌装置が設けられています。
一つ目は原水を攪拌する速度が速く、二つ目、三つ目に進むにしたがい徐々に速度が緩やかになり、生成した微小フロックを大きく成長させます。
沈殿池(ちんでんち)
沈殿池は、凝集処理で成長し大きくなったフロックを底に沈めて除去し、上澄み部分を後続のろ過池に送ります。
底に沈んだフロックは、定期的に掃除をして、脱水処理後大阪湾の埋立処分場に運搬しています。
ろ過池(ろかち)
ろ過池には、2種類の大きさが違う砂の層があり、沈殿池で除去できなかった濁質を砂の層に付着させて除去します。
消毒の残留効果が水質基準に適合するように、必要に応じ、ろ過した水に次亜塩素酸ソーダを注入して水道水が出来上がります。
浄水池(じょうすいち)
浄水池は、出来上がった水道水を貯留しているところです。
つくられる水道水の量と市内へ送水する量との不均衡を調整緩和するとともに、原水の水質変動への対応や、突発事故、浄水施設の点検、保守作業、災害時に備えて水道水を貯留しています。
惣川浄水場は、場内の地中にタンクを設けています。
小浜浄水場は、小浜配水池が浄水池の役割をしています。
水質の監視
中央管理室
中央管理室では、各浄水工程の運転管理や浄水量、水質の監視を行っています。
自動水質監視設備を設置して、原水、沈殿水、ろ過水等各処理工程の水質の連続測定と記録、監視を行い、処理効果を確認するとともに、その結果を元に浄水処理薬品の注入量を調整しています。
水質試験所
水質試験所では、水質検査を行い水道水が水道法に定められた水質基準に適合し安全であることを確認しています。
水源から給水栓水(蛇口の水)にいたるまでの各過程について、理化学試験、微生物試験(細菌試験)を行い、その結果を水道水質の管理に反映させています。
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