宝塚市における有機フッ素化合物(PFAS)の状況について(水道水・河川・地下水(井戸水))

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ID 1061228 更新日  2025年9月22日

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 有機フッ素化合物(PFAS)に関するニュースが、テレビや新聞等のメディアで連日報道されており、本市でも多くのお問い合わせをいただいております。本ページでは、有機フッ素化合物(PFAS)の特性や人体への影響、有機フッ素化合物(PFAS)の一種であるPFOS、PFOAの検出状況や今度の取り組みについて掲載していますので、ご参照ください。

1 有機フッ素化合物(PFAS)とは

 有機フッ素化合物は、炭素とフッ素で主に構成された物質で、その総称をPFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物、通称ピーファス)と呼んでいます。水や油を弾き、熱、薬品、紫外線に強く、燃えにくい等の優れた特性を有しています。

PFASとは

(1)PFOSとPFOA - 環境への影響を防止するため、現在は製造・輸入等原則禁止

 PFASの中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸、通称ピーフォス)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸、通称ピーフォア)は、上記の特性から、撥水スプレー、撥油剤、ファーストフードの持ち帰り容器、カーペット、化粧品などの日常品から、半導体製造工程の洗浄剤・反射防止剤、金属メッキ、泡消火剤などの工業品まで幅広く使用されてきました。

 一方で、PFOS、PFOAは簡単に分解されず、生物内に蓄積されやすい特性も有しており、長年にわたり様々な用途で使用されてきたことから、北極圏なども含めて世界中に広く残留しています。このため、国際的に製造禁止等の規制が進められ、日本では「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に基づき、PFOSは平成22(2010)年4月以降、PFOAは令和3(2021)年10月以降、製造、輸入等が原則禁止されています。

PFASの用途とPFOS・PFOAの製造・輸入禁止

(2)人体への影響 - 主に飲食により体内へ、ただし日本でPFAS主因の健康被害は未確認

 人の体内にPFOSとPFOAが入る経路は、主に食事や飲料であると考えられています※1。

 健康影響については、動物実験では出生時の体重減少などに影響を及ぼすことが指摘されており、人体への影響についてはコレステロール値の上昇、発がん、免疫系などとの関連が報告されているものの、血中濃度やどの程度の量が体内に入ると影響が出るのかについては十分な知見がない状況です※2。

 なお、日本において、PFOSとPFOAの摂取が主たる要因と見られる健康被害は、確認されていません※3。

PFAS摂取源と健康被害

※1:参考文献:「PFASハンドブック」P.28 令和7年3月 環境省 水・大気環境局 環境管理課 有機フッ素化合物対策室

※2、※3:参考文献:「PFOS,PFOAに関するQ&A集 2024年8月時点」P.1,2,11 令和6年8月 環境省 PFASに対する総合戦略検討専⾨家会議

より詳細なPFASに関する情報をご覧になりたい方は以下のリンクをご参照ください。

(3)国内外での水質に関する基準等- 日本では暫定目標(指針)値50ng/L以下

 国内では、水道水や河川、地下水(井戸水)について、令和2(2020)年度にPFOSとPFOAを合算で暫定目標(指針)値50 ng/L以下とすることが定められました。水道水については、令和8(2026)年4月から水質基準値に格上げすることが決定し、50 ng/L以下を遵守することが義務化されます。また、清涼飲料水のうち「ミネラルウォーター類のうち殺菌または除菌を行うもの」についても同基準値が適用されます。

世界の水道水のPFOS、PFOAの基準等は以下の表のとおりです。

各機関における目標値

なお、現時点で、国内では食品、土壌、排水に関する基準等は定められていません。

2 本市のPFOS・PFOA水質検査結果

(1)河川・地下水(井戸水) - 令和3年度に1河川で50ng/Lを超過したが翌年度以降は超過なし

 本市では、水質汚濁防止法第15条の規定に基づき、環境基準項目(人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準)、要監視項目(引き続き知見の集積に努めるべき項目)を中心に、市内の河川と地下水(井戸水)の水質調査を行っています。
 これまでに河川は6地点、地下水は8地点で水質調査を実施しました。令和3年度に1地点(最明寺川)のみ指針値(50ng/L)の超過がありましたが、その他の地点は指針値を下回りました。

 最明寺川は直接飲用利用される河川ではありませんが、令和4(2022)年度以降も指針値に近い濃度が検出されたため、令和6(2024)年度に上流での追加調査を実施しました。その結果、全ての地点で指針値を下回り、高濃度で排出されている発生源等は確認されませんでした。

 引き続き調査地点での監視を継続しつつ、検出状況に応じて追加調査を検討し、周辺地域における状況把握に努めます。

井戸水は飲まないでください

 家庭用の井戸は、周囲の環境の影響を受けやすく、様々な有害物質や細菌によって汚染されていることがあります。また、本市では自然由来と推定されるフッ素(無機)が井戸水から高濃度で検出される地域もあることから、飲用には水道法で定められた水質基準に適合した市の水道水をご利用ください。
 なお、本市では井戸水の飲用判断のための水質検査は行っていません。井戸水の水質検査に関しては、兵庫県宝塚健康福祉事務所や民間の分析会社にお問い合わせください。

(2)水道水 - 令和2年度に50ng/Lを超過したが翌年度以降は超過なし

 本市では、PFOSとPFOAが水質管理目標項目に設定されてから、おおむね3か月ごとに外部委託にて水道水の水質検査を行っています。なお、1回目(令和2(2020)年6月2日)の検査にて、小浜浄水場系の水道水が暫定目標値を超過(54ng/L)しましたが、それ以降の検査ではすべて暫定目標値以下であることを確認しています。

※1ng/L(ナノグラムパーリットル)とは、水1リットルあたり10億分の1グラムの物質が溶けていることを表します。東京ドーム1つ分の容積の水(120万m3)に1.2gが含まれている時の濃度です。

直近の水道水の検査結果 (令和7(2025)年6月30日)単位:ng/L
惣川浄水場系 小浜浄水場系 阪神水道事業団系 兵庫県営水道系
5未満 30 5未満 5未満

小浜浄水場水源の各井戸の調査結果

3 本市の水道水におけるPFOS・PFOA低減に向けた取り組み

(1)これまでの取り組み ー 小浜浄水場の水源井戸の減量・停止

 本市では、PFOS・PFOAの低減対策として、令和5(2023)年2月に小浜浄水場の取水源である深井戸1本の取水量を半減させ、5月に別の深井戸1本の取水量を半減させました。

 また、令和6(2024)年8月には、上記の深井戸2本からの取水を停止し、PFOS、PFOAを低減しました。取水量の半減と取水停止による減量分は惣川浄水場の水道水で補い、小浜浄水場の配水系統に送水することで更なる低減を図っています。

(2)今後の取り組み

次の低減目標

小浜浄水場系の水道水を「PFOS及びPFOA」を暫定目標値(50ng/L)の半分以下に低減

低減対策方法
  • PFOS・PFOA濃度の高い井戸の更なる減量、停止
  • 他系統の水道水を更に小浜浄水場配水系統に送水
実施方法

 上下水道耐震化計画等の事業推進に併せて、新たに配管を整備し、PFAS低減対策を実施していきます。また、国の動向や他自治体の状況、低減技術についても引き続き注視していきます。

4 お問い合わせ先

水道水

お問い合わせ内容 担当課 連絡先

◆水道水・水源の水質に関すること

上下水道局 施設部

浄水課(水質検査室)

0797-83-6940

◆水道水の市内の配水区域に関すること

上下水道局 施設部

工務課

0797-73-3686

河川・地下水(井戸水)

お問い合わせ内容 担当課 連絡先

◆河川・地下水の水質に関すること       

環境部 環境エネルギー課  0797-77-2072  

◆飲用井戸の衛生対策に関すること

環境部 生活環境課 0797-77-2146

5 本ホームページの内容を資料(PDF)としてダウンロードできます

 資料の内容は、本ホームページに記載している内容とほぼ同一です。図表等をより詳細に確認したい場合等にご活用ください。

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このページに関するお問い合わせ

環境部 環境エネルギー課
〒665-8665 宝塚市東洋町1番1号 本庁舎2階
電話:0797-77-2070(環境保全担当)
ファクス:0797-71-1159
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。