日本初の人権宣言「水平社宣言」から100年
明治4年(1871年)8月28日、太政官布告をもって身分の称号廃止と職業の自由を宣言した「解放令」が出されましたが、単なる布告にとどまったことにより、厳しい差別は残ったままでした。
そのため被差別部落の人々の解放を目指して、大正11年(1922年)3月3日、京都市の岡崎公会堂で「全国水平社」の創立大会が開かれ、そのとき満場一致で採択されたのが「水平社宣言」で、日本における初めての人権宣言です。解放令から約50年が経過していました。
水平社宣言は、長い歴史の中で不当な差別を受けてきた人々の痛切な思いが綴られているだけでなく、すべての人があらゆる差別を受けることなく、人間らしく暮らしていける社会の実現を願う気持ちが込められています。
令和4年(2022年)3月3日で水平社宣言から100年です。この100年の間に、宣言が目指したあらゆる差別を許さず、誰もが一人の人間とし尊重される社会になっているでしょうか?
以前よりは、社会のあらゆる場面で人権尊重の意識が高まっていることは確かです。しかし、今なお残る部落差別をはじめ、近年ではインターネット上の人権侵害や外国人などへのヘイトスピーチ、貧困にかかわる人権侵害、災害時における被災者への配慮不足、新型コロナウイルス感染症による様々な偏見・差別など、その内容は複雑化かつ多様化しています。平成28年(2016年)には部落差別解消のため、「部落差別解消の推進に関する法律」が施行されました。
人権とは、人間の尊厳に基づいた各人が持っている固有の権利であり、社会を構成するすべての人々が個人としての生存と自由を確保し、社会において人間らしく幸福な生活を営むために欠かすことのできない権利です。
人権は、「一人ひとりの人間がかけがえのない存在である」ということを、自分だけでなく、他人と認め合って、はじめて成立するものです。
部落差別に限らず、「すべての人の人権が尊重され、平和の下で、誰もがありのままに自分らしく生きている」の実現に向けて、多様な生き方を認め合い、自分の人権のみならず、他人の人権についても正しく理解し、その権利の行使に伴う責任を自覚し、人権を相互に尊重し合う人権の共存の社会を築いていきましょう。
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